データ深掘り

リサイクル率が高い県ほど
ごみが減るとは限らない、というデータの話

公開日:2026年9月16日/出典:環境省 一般廃棄物処理事業実態調査(全期間合計(令和元〜6年度))

「リサイクル率が高い自治体ほど、埋め立てるごみ(最終処分量)は少ないはずだ」——日本ごみ処理ダッシュボードのデータで、この直感がどこまで正しいかを検証してみました。都道府県別のリサイクル率と最終処分率(総排出量に占める最終処分量の割合)の相関係数を計算すると-0.558。方向性としては直感どおり負の相関ですが、"強い相関"と呼べるほどではなく、いくつもの例外的な県が存在します。

-0.558
リサイクル率×最終処分率の相関係数
28.5% / 6.4%
鳥取県:高リサイクル率・低最終処分率
23.0% / 17.2%
北海道:高めのリサイクル率でも最終処分率は最悪

両方が優れている県、両方とも厳しい県

鳥取県・山口県・岡山県は、リサイクル率が全国トップクラスで、なおかつ最終処分率も低い「優等生」の組み合わせです。逆に和歌山県・大阪府・福島県は、リサイクル率が全国最下位クラスで、最終処分率も高いという「両方とも厳しい」組み合わせになっています。ここまでは直感どおりです。

リサイクル率・最終処分率が「両方優秀」「両方厳しい」都道府県(環境省データより)
都道府県 リサイクル率R 最終処分率 傾向
鳥取県28.5%6.4%両方優秀
山口県27.5%4.8%両方優秀
岡山県27.0%4.3%両方優秀
和歌山県12.4%12.8%両方厳しい
大阪府12.9%12.2%両方厳しい
福島県13.1%11.7%両方厳しい

「例外」が教えてくれること

一方で、この傾向に当てはまらない県も少なくありません。北海道はリサイクル率23.0%と全国平均をやや上回る水準にあるにもかかわらず、最終処分率は17.2%と全国最悪。広い土地に恵まれ埋立処分場を確保しやすいことが、最終処分量そのものを減らす動機になりにくい可能性があります。

逆に、三重県・佐賀県・静岡県は、リサイクル率が18〜20%台と全国平均程度でありながら、最終処分率は3.2〜4.6%と全国トップクラスの低さです。これらの県では、資源として再利用する量を増やすというより、焼却によって埋立量そのものを徹底的に減らす(減量化率を高める)ことで、最終処分率を下げていると考えられます。

相関から外れる「例外」の都道府県(環境省データより)
都道府県 リサイクル率R 最終処分率 特徴
北海道23.0%17.2%リサイクル率は平均以上なのに最終処分率が最悪
三重県20.4%3.2%リサイクル率は平均的でも最終処分率は全国最低
佐賀県19.4%4.1%同上の傾向
静岡県18.2%4.6%同上の傾向
リサイクル率は「一つの指標」にすぎない :最終処分量を減らす方法は、資源化(リサイクル)だけではありません。焼却による減量化の効率、そもそもの排出量の少なさ、埋立処分場の確保のしやすさなど、複数の要因が絡み合っています。リサイクル率だけを見て自治体の環境性能を評価するのは、片方の目でしか見ていないのと同じかもしれません。

この事例から学べること

「リサイクル率が高い=環境に優しい自治体」という見方は、半分正しく半分は単純化しすぎています。最終処分率・減量処理率・1人あたり排出量など、複数の指標を組み合わせて初めて、その自治体のごみ処理の全体像が見えてきます。

本サイトのダッシュボードでは、指標を切り替えながら都道府県・市区町村を比較できます。リサイクル率だけでなく、最終処分率もあわせてチェックしてみてください。

都道府県別のリサイクル率・最終処分率を、指標を切り替えて詳しく見てみましょう。

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